VOL41 木構造進化論 実践編
2007/08/10



雪谷の家が完成してから6年。その間にクライアントは結婚し、今はお子さんと家族3人が
暮らす家に成長しています。

新築時の計画の段階から、吹き抜け部分を将来の家族構成の変化に対応できるように
考えていました。
6年間の間に外構工事、外壁が下地のままだったので補修し吹付け工事、ガラスの遮熱シート貼り、
今回はその吹き抜け部分を床にしようという改修工事です。

「雪谷の家」の変化をずーっと楽しんでいるので、mixiつながりの方から
「自宅だと思っていた」というメッセージを頂いたこともあります。



「雪谷の家」住人Kさんご夫妻と何度かお会いして、改修工事に関する考え方を話合いまとめました。

・既存部分は、極力いじらない
・予算重視
・快適性を損なわない
・今と同じように明るい家であること

こんなかんじです。



工事をするにあたって、設計上もっとも難しいのが「雪谷の家」の施工精度が高く
一部の壁を撤去したり、床を撤去することで大幅に工事範囲が増えてしまうことです。
木構造の柱・梁を設けるということは、既存柱・梁を加工するということです。
そのためには、既存壁や床をいじる可能性もでてきます。

「既存部分は、極力いじらない」「予算重視」ことを鑑みると
在来木造の仕口納まり・金物併用の構造では今回の改修工事は出来ません。



そこで採用したのが木造ラーメン工法のホームコネクターです。
木造建築を美しく強く
自由な空間デザインを可能にした接合技術をもった工法で、
中空ボルトを接合金物として使うことで木材の中に収納されてしまうため
外部に一切金物が出ず、意匠性を損なうことがありません。
ほかに金物接合の工法などありますがその多くがフランチャイズ方式を取っているため
認定工事会社しか施工できないというデメリットがありますが、この工法はオープン工法のため
わずかの知識があればどんな大工さんでもできるというメリットがあります。




最大の特徴は構造体に穴を開けそこにピンを
差込み接着剤で固定するため金物が表面に
出てこないため、意匠的に綺麗に収まりさらに
既存の構造の断面欠損を極力少なく出来きます


既存の構造に合わせながら施工していくため、
すべて現場で加工していきます。


接合部を拡大すると既存柱と新しい梁がボルトで
繋がれ(写真では見えません)接着剤を注入する
中空ボルトが見えます。
刻まれた四角い穴にはコミ栓で埋め、最後に
接着剤を注入。


翌日、構造体はびくともしないくらい固定され、
根太を施工。
接合部分はすでに込み栓で埋められています。



わずかなピンと接着剤のみの接合なので半信半疑でしたが、完成した構造材はきしみすらない
ガッチリとした構造体です。
在来工法から進化した新たな木構造はさまざまな可能性を富んだ構造です。



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