VOL22 建築費はなぜ不透明?            2005/03/17
                                                                                                 


建築コストは建築業界に関わるわたしたちにとっても不透明な部分があります。
建築資材の流通経路は複雑で資材メーカー、商社、代理店(複数の代理店がある)、販売店、工務店、建築主へと
渡るまでいくつもの経路を経ていきます。また、下請け・孫受けの産業構造によるものもあります。
日本の産業の70%は何らかのかたちで建築産業に関わっていると言われ、
たとえば、パルプ・ケミカル・鋼材・木材・製薬・家電・金属などなど。
しかもその原材料の多くは、海外からの調達によるもの。
為替・原油価格や近隣諸国の経済状況によってその調達価格は常に変動していきます。

おなじ原材料を使って作られた資材でも、東南アジア製品と国内製品では価格が大きく異なります。
この価格差のもっとも大きな原因は人件費で、東南アジア諸国と日本の人件費は大きく異なり
それが国内製品の価格差にもつながっていきます。
今現在では、中国経済の急成長で鋼材価格が急騰し、今後その他の建築資材なども
同様になる可能性もあります。
そういうことを踏まえない安易な建築計画の提案は、コストアップにもつながります。

複雑な流通経路と産業構造と世界の経済状況によることが建築費の不透明化につながっています。

建築家はクライアントの要望を聞き、予算の中でいかにそれを昇華させ機能的で美しい空間を
具現化することが仕事です。
限られた予算をもっとも効果的に使うには複雑な流通経路や産業構造をショートカットすることも考慮に
入れなくてはなりません。

国内の無垢材が高いのならば流通経路をショートカットする。
大理石が高いのであれば直接商社と交渉できるルートを開拓するなどによって建築費は大きく異なります。
また、資材メーカーの下請けで作っている工場とコンタクトをとりルートを確保することもあります。

最近、ローコスト住宅という言葉が一人歩きしていますが、
住宅メーカーのように大量仕入れによる低価格の住宅はローコスト住宅とは異なります。
建築のローコスト化はそういうノウハウがあって初めて実現します。


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