
VOL15 「安い・美味い・早い!の家」 2004/6/18


あわただしく仕事の移動をしているときに重宝するのが、手軽に入れる店。
いろいろあるが全国チェーンのあの牛丼屋。年に何回かお世話になる。
カウンターに座って注文をすると、一分くらいででてくる。さすがに早い!
けっしてオシャレとは言えない店内。厨房は丸見え。
当然まわりを見ることもなくひたすら食べる。
みんな無言で食べる。箸の音だけは聞こえる。
ここに来る人は多くのことを望んでいない。
皆、急いでいるかのようにただひたすら食べる。
食後の余韻を楽しむようなことはせず、お勘定。
たしかに安い!
小銭数枚で空腹感を満たすことができる。利益がでるのか思うくらい安い。
ただ味覚を満喫できたかどうかは別。
それを期待しては来てる人は少ないかもしれない。
食後、ちょっと胃がもたれるような気がする。
「まー、いっか」
それでも、急いでいるときは重宝する。
この早さ・安さをもっとも優先する人がこの店にくるに違いない。
だから年に何回かお世話になる。これで充分。
わたしの場合、早い!が優先順位1位。
ここは家族団欒で食事をする場所ではないし、そんな人も見当たらない。
住宅ならどうか。
「安い・快適・早い!」っていうことになる。
工期が早いことにこしたことはない。しかしさまざまな養生期間や
材料の仕入れ期間などを考慮しなければ
洗練された空間をつくることはできない。
住宅をつくるには大きな金額が必要になる。
車の十数倍もの費用。
安さだけを売り物にする住宅メーカーなどもある。
それを優先順位の1位にする人にはこれで充分。
時間の単位、経済価値の単位はわかりやすい。
こころの単位はない。
快適性はそこに住む人、ひとりひとり違う。
生まれて育ってきた環境によって住まいに求める快適性は異なる。
365日毎日生活する家。
5年・10年・20年そしてそれ以上終の棲家としてその家で過ごす。
人生の1/3は家で過ごす訳だから、快適性を優先順位1位にする意味は大きい。
住宅は、家族団欒で過ごす場所。
家族の気配を感じる場所。
なにものにも変えられない場所。
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